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[ 警察小説 ] 二重逆転の殺意 副題:見当たり捜査25時 |
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姉小路祐 | 出版月: 1999年02月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
徳間書店 1999年02月 |
No.1 | 6点 | 臣 | 2015/06/29 10:00 |
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たいそうなタイトルだなあ。見当たり捜査ってなんだろうか?
序盤は題名に似合わず、警察官による、大阪のお笑いの雰囲気が漂っている。 70ページをすぎたあたりで、大阪からかけ離れた青海埠頭で企業再建という詐欺に絡んだ殺人が起こり、推理小説らしくなる。 中盤以降は、種々の事象が事件に絡み合うかのように、はげしく場面が変化していく。変化があるわりには読みやすい。しっかりとしたプロットによるものだろう。 見当たり捜査とは、全国の指名手配犯の顔写真を手帳に貼り、特徴を頭に叩き込み、街を歩きながら犯人を見つけるという、大阪の捜査共助課の仕事。だから捜査員は全国の都道府県警察の手伝いをするだけで、担当事件を持たない。 そこの署員、浦石らによる見当たり捜査と、浦石の妻である、生活安全部の姫子による少女補導とが、青海の殺人事件へとつながっていく。 犯人はあっさりと逮捕されるが、じつは、このあとの裁判で驚愕の事実が明かされていく。 終始退屈することなく面白く読めた。 導入部は、回想による人物描写など十分すぎるほどの説明があるから、とてもわかりやすい。エンタテイメント小説の導入部の書き方として上等だと思ったが、ていねいすぎるので「文学」とはほど遠いようにも感じた(あくまでも素人目線)。調べてみると、横溝正史ミステリ大賞佳作を受賞しているが直木賞とは縁がなかったようだ。 でも、読みやすくストーリーもいいので、2時間ドラマ御用達の大衆小説家としては、これで十分。著名性は西村京太郎、内田康夫、和久峻三には及ばないが、彼らを追いかけて量産型のエンタメ作家を目指してほしい。 仕掛けはよく使われるアレ。工夫はあるが、タイトルがネタバレ気味なところが惜しい。 |