海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 時代・捕物帳/歴史ミステリ ]
卑弥呼の密室
獅子宮敏彦 出版月: 2013年10月 平均: 4.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点するジャンル投票


祥伝社
2013年10月

No.1 4点 2022/01/12 23:40
タイトルの「密室」は不可能犯罪の意味だというので、歴史的要素を加えたパズラーかと思っていたのですが、まるで違っていました。確かに卑弥呼自身は密室状態で殺されますし、現代における事件も、密室殺人が二つ出てきます。しかし、序章の後、第一章・第二章から派手なアクションを繰り出してきます。それもハードボイルドのリアルなものではなく、かなり安っぽい荒唐無稽さです。最後にはマシンガンや爆弾まで出て来て、スペクタクルなクライマックスになっています。
同じように歴史的テーマを扱っていても、最近読んだ森雅裕の『画狂人ラプソディ』の北斎秘話にはなかなか説得力があったのに対して、大ボラもいいところです。巻末には邪馬台国関係の本が参考文献として多数挙げられていますが、『魏志倭人伝』等公式の歴史は、時の権力者の都合で嘘だらけなのが当然という基本姿勢の伝奇スリラーでした。


キーワードから探す
獅子宮敏彦
2017年04月
上海殺人人形
平均:6.00 / 書評数:2
2014年09月
アジアン・ミステリー
2013年10月
卑弥呼の密室
平均:4.00 / 書評数:1
2012年03月
君の館で惨劇を
平均:3.00 / 書評数:1
2011年04月
天命龍綺
2009年05月
神国崩壊
平均:6.50 / 書評数:2
2005年04月
砂楼に登りし者たち
平均:5.00 / 書評数:1