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[ SF/ファンタジー ]
ひねくれアイテム
江坂遊 出版月: 2008年02月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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講談社
2008年02月

No.1 6点 2021/06/16 20:59
高井信による巻末解説は「〝何でもあり〟の魅力」と題し、江坂游の作品はバラエティ豊富だとしていますが、ジャンル的にはその説には疑問を感じます。少なくとも本書の全48作のうち大部分がファンタジーです。
作者の師である星新一だと『殺し屋ですのよ』等、純粋ミステリも多いですし、『ボッコちゃん』は科学的なロボットSFですが、本書収録作品のほとんどは超常現象、それもテレパシー等の正統派ではなく、その場限りの妙な設定を前提としたもので、つまり作品世界に論理的普遍性・リアリティの必要性を認めない作風なのです。すっとぼけた味わいが楽しめますが、安部公房みたいな不条理というほどではありません。
これも巻末解説に作者がダジャレ好きだと書かれていましたが、確かにそんな落とし方をしたものがかなりあります。なるほどと納得できる結末ではない点で、ミステリ的でない作品が大部分です。


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