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[ ハードボイルド ] 風の岬 |
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高城高 | 出版月: 2008年11月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
東京創元社 2008年11月 |
No.1 | 6点 | 空 | 2015/12/19 22:56 |
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創元推理文庫の高城高全集第4巻に収録されている作品14編は、すべて北海道が舞台であることが作中で明示されています。ごく短い『ホクロの女』など場所はどこでもいいような話ですが、やはり作者のこだわりでしょう。もちろん大部分はいかにも地方色を感じさせる作品です。
当時のソ連と近い地理関係を使ったスパイ小説系とも言える『北の罠』にしても、やはりハードボイルドな雰囲気はあります。もう1作、『風への墓碑銘』の方がスパイ小説らしさはありますが、これが何ともあいまいな幕切れで、そこがリアルなスパイ小説らしいとも言えるかもしれません。あいまいな幕切れと言えば、『上品な老人』もそうですが、こちらの結末は成功していると思えません。『気の毒な死体』は作者としては珍しい推理パズル。 表題作、『札幌に来た二人』、『穴無し熊』など、ストーリーのタイプは異なるものの、枯れた味わいが心地よい作品です。 |