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[ サスペンス ]
検察捜査 レディライオン
中嶋博行 出版月: 2023年04月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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講談社
2023年04月

No.1 6点 びーじぇー 2025/05/27 21:49
本牧埠頭のプレハブ小屋で行われた覚せい剤取引の現場を急襲した麻薬Gメンが、密売人もろとも短機関銃で撃たれ殺害された。死者十人という残虐な事件は、当夜に因みハロウィンの虐殺と呼ばれ、社会を震撼させた。
一方、東京地検特捜部に移って、日の浅い岩崎紀美子はチーム捜査から外され、一人で外為法違反が疑われる貿易会社を調べていた。韓国を経由して北朝鮮に雑貨を輸出し、香辛料を輸入するという利益の出そうにない商売である。その過程でこの会社が利用する船が、虐殺事件の当日に現場近くに係留されていたことを知った岩崎は、この会社の麻薬空輸と虐殺事件への関わりを確信する。
このシリーズの特徴の一つに、執筆時における法曹界の諸問題をテーマに絡ませることがあげられる。本書でのそれは、北朝鮮や中国による活発な軍事行動に対抗するため、安全保障をめぐる国内各組織の思惑である。岩崎は自衛隊内部に、戒厳令を可能にするグループがあることを教えられる。さらに凶器である短機関銃も自衛隊なら調達が可能ではないのか。岩崎は保身に走る上司や、他の組織からの圧力に屈することなく、捜査に邁進していく。
相手を挑発したり、揶揄するような会話を交わしながらも、互いに一目置きあっている県警捜査一課の郡司課長などお馴染みの脇役も健在。幼い娘を抱えたシングルマザーでありながら、危険を顧みず巨悪を暴く女性検事の活躍が楽しめる。


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中嶋博行
2023年04月
検察捜査 レディライオン
平均:6.00 / 書評数:1
2013年10月
新検察捜査
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