海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 時代・捕物帳/歴史ミステリ ]
船を待つ日
小坂屋お嬢の江戸見廻り始末/古物屋お嬢・翠シリーズ
村木嵐 出版月: 2012年06月 平均: 5.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点するジャンル投票


中央公論新社
2012年06月

中央公論新社
2014年05月

No.1 5点 小原庄助 2019/10/02 10:52
古物商のお嬢さま翠と与力の息子森之介が、人買い船の出現や徳川家の偽の御紋を付けた舶来品が出回っている謎に挑む、ユーモラスな時代ミステリになっている。
翠が眼鏡をかけた”ドジッ娘”とされているなど、漫画を思わせる設定もあるが、江戸時代の海外交易の実態が伏線になっていたり、積まれた荷物の高さを調べる「高積見廻り」の見習いをしている森之介が手掛かりを見つけてきたりと、緻密な時代考証が事件解決の鍵になっているので侮れない。
どんでん返しに意外性が無いのでミステリとして弱さもあるが、翠と森之介が捜査を通して成長し、働くことの意義を学んでいく展開は心地よく、青春小説と見れば十分の完成度といえる。


キーワードから探す
村木嵐
2012年06月
船を待つ日
平均:5.00 / 書評数:1