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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
ISOROKU 異聞・真珠湾攻撃
柴田哲孝 出版月: 2018年07月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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祥伝社
2018年07月

No.1 6点 小原庄助 2018/11/22 09:48
日米開戦の幕開けとなった1941年の真珠湾攻撃を描く謀略小説である。できるだけ実名を用い、物語に関連する挿話も実際の出来事に基づき、人物団体も実在のモデルや事例が存在するが、「概念としてフィクションである」と前書きで作者は断っている。
しかしノンフィクション「下山事件 最後の証言」をさらに小説化した「下山事件 暗殺者たちの夏」を見ても虚実の間を鋭く突いて真実を浮かび上がらせるのが得意だ。
真珠湾攻撃の謎、つまり、①攻撃当日にホノルルのラジオ放送から突然日本の曲が流れた②奇襲なのに真珠湾には空母は1隻も無く旧式艦ばかり③太平洋艦隊の生命線というべき燃料タンクを一切攻撃しなかったのはなぜなのか-を追求する。
もしかしたら日米間に密約があったのではないかという疑問を山本五十六やルーズベルト大統領、スパイたちの視点を交えて解き明かしていく。
柴田哲孝には「下山事件」以外にも、大震災の謎を追う「GEQ(グレート・アース・クエイク)大地震」や戦争の裏側に迫る「異聞太平洋戦記」などの秀作がある。本書は「日本の黒い霧」「昭和史発掘」などの松本清張路線を継ぐ異才の新たな注目作だ。


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柴田哲孝
2018年07月
ISOROKU 異聞・真珠湾攻撃
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