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[ 本格/新本格 ]
不連続線
上島警部&推理作家・吉本紀子
石川真介 出版月: 1991年11月 平均: 4.00点 書評数: 1件

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東京創元社
1991年11月

光文社
1999年03月

アドレナライズ
2021年12月

No.1 4点 2021/04/30 23:05
第2回鮎川哲也賞受賞作です。事件担当の上島警部が、上島鬼貫という俳人(1661~1738)の句を思い出すシーンがあるのですが、これは当然、この俳人の名前から逆にこの警部の名字を作者は思いついたのでしょうね。それはいいのですが、容疑者が書いた3冊のミステリの題名感覚は、どうもいただけません。
内容的には、確かにアリバイトリックはなかなかよくできています。巻末の選評で、紀田順一郎は「発覚の機会が増えるわけで、感心しない」としていますが、個人的にはその出来事を利用するという着眼点は評価できると思います。むしろ、犯人がそれを利用できたという点が少々ご都合主義な気もしますが。
しかしそれより、本作に対して不満なのは、小説としての統一感のなさです。登場人物の心理描写もグルメ礼賛も文章が鬱陶しく、フィクションの枠内にすっきり収まっていない感じです。


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石川真介
2004年01月
越中八尾、恩讐の殺人
平均:5.00 / 書評数:1
2002年04月
若狭小浜殺人紀行
平均:6.00 / 書評数:1
1999年11月
美濃路殺人悲愁 私法廷の殺人者
平均:3.00 / 書評数:1
1991年11月
不連続線
平均:4.00 / 書評数:1