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∠渉さん
平均点: 6.03点 書評数: 120件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.41 6点 人間は考えるFになる- 森博嗣 2015/06/28 15:35
ツチケンさんのミステリィもっと読んでみたいなぁ。

No.40 10点 四季- 森博嗣 2015/06/11 20:52
「春」10点、「夏」10点、「秋」10点、「冬」10点。でもって4作の平均をとって10点で。なんとかならんか、この森贔屓ww。

今までの作品を補完する役割と、新たなベクトルへの示唆。たぶんこれ一作だけじゃ作品としてはなんか欠けてるのかなという感じだけど、それすら受け入れて書き上げちゃう力がスゴイと思う。
完全無欠という状態は何かが欠けている状態でも成り立つのではと思ってしまう。
とまぁ矛盾したことをいいたくなる初夏の夜。天才との距離の果てしなさに泣きたくなる笑。

No.39 7点 ゾラ・一撃・さようなら- 森博嗣 2015/05/31 23:22
森流ハードボイルドの世界。硬すぎない、乾きすぎない、ほんのりロマンチック。そして香りがミステリィ。エッセンスを楽しみましょう。

No.38 8点 迷宮百年の睡魔- 森博嗣 2015/05/31 23:16
ある意味ダークファンタジィ。この世界でこそ成立するミステリィでありながらも、普遍的。

No.37 7点 スカル・ブレーカ- 森博嗣 2015/05/16 16:46
清冽なこのシリーズの世界観がたまらなく心地良い。なので読み終わっちゃうとほんのり寂しい。でも、この寂しさがまた心地良い。本作ではゼンについての秘密が少し明らかになってきました。でもまだ謎も多い。相変わらずゼンは放浪して、その道中でひたすら何かを考えていますが、答えのない苦しさとある種の喜びが、ゼンをまた歩かせて、この循環がまたたまらなく心地良い。
相変わらずノギとのやりとりもたまらないし、新キャラのヤナギの登場で森ミステリィらしさも出たので、ファンとしては、かなりお腹いっぱいになりました。そして、もっと食べたくなる。

No.36 8点 女王の百年密室- 森博嗣 2015/05/16 16:45
これもカテゴライズしにくい、というかする必要はないんだろうけど、あくまで密室をタイトルに冠するところが森博嗣のぶれない強さというか、ミステリィ愛というか。
そして、本作における密室も、ミステリィとは思えない(!?)メッセージ性の強いものになっていると思う。森博嗣が凄いなぁと思うのは、密室という要素の形骸化を指摘しながらも、ちゃっかり新たな密室を仕掛けてくるところ。舞台設定や時系列もちゃんと意味があって、意味なし冗長トークもあって、読者に考えを促す要素も多い。
森博嗣って、もう宇宙だね笑。

No.35 7点 アイソパラメトリック- 森博嗣 2015/04/23 20:28
私事ですが、100件目の書評。なので、100件目はやはり大好きな森博嗣ということで、相変わらず芸がないですが。

さて、『アイソパラメトリック』ですが、なんというか、エッセンスを凝縮して濃縮した感じでしょうか。洗練された世界なんだけど、個々の作品の中には蒼い感じもあったりで。好きだったのは『動機』。gシリーズを連想させる一文があって震えた。
兎にも角にも、森博嗣がショートショートをやるとこうなる。
クリエイティブな森博嗣が好きな人には、間違いない作品集ではないかと。

No.34 6点 そして二人だけになった- 森博嗣 2015/04/23 20:24
狙って賛否両論の作品にした感があるので、何言っても森博嗣の手の中というか、感想が言いづらい作品である。
でも、重要な作品であるような気はする。直近シリーズのテーマに直結してるような感じ。夢オチはすごいロジカルだと自分は思った。

もやっとした作品を読んだ感想的な雰囲気が滲み出てしまった

No.33 6点 虚空の逆マトリクス- 森博嗣 2015/03/10 01:11
著者は自身の作品について「シリーズものは当然だが、それ以外も含めてすべてで一つの作品だと認識している」と語っている。そういう意味では『トロイの木馬』なんかは重要で、『すべてがFになる』からずっと深いところでテーマやモチーフが繋がって作品が出来上がっていたんだなと実感できる。
『赤いドレスのメアリィ』や『探偵の孤影』のノスタルジックな風味も『ゲームの国』みたいなアソビの心地良さも、森作品に通底しているテーマを感じることができる作品で興味深い。

『いつ入れ替わった?』は再読して貴重な作品になった。『有限と微小のパン』で萌絵の役割は終わったのかなぁと思っていたけど、意外とはそうでもなかったかもしれない。四季、G、Xシリーズで彼女が登場し続ける理由、もしかしたら、ここからが本当の萌絵の物語なのかも。そう思ったのは、ここが萌絵と犀川のラブロマンスの終わりだったからである。今後のシリーズの見方がまた少し変わってきそう。

私的には、以降の森作品への助走をつけるための作品集という位置づけ。これはこれで外せない。

No.32 10点 赤緑黒白- 森博嗣 2015/03/06 20:53
Vシリーズもいよいよフィナーレ。わかっていても、てか2周目だけど、寂しいのは寂しい。読んでる自分でさえこれなんだから、もうしこちゃんの痛々しい姿なんか見てらんない笑。
なんだかんだVシリーズは楽しかった。まぁ、楽しいだけじゃミステリィファンは納得しないんだろうけど。個人的にはミステリィの質もこっちの方が(S&Mより)上だと思っている。まぁどっちがどう良いってのも野暮なんだけど。どのシリーズのどの作品にしても森作品は常に新しいアイデアがあってそれぞれに光っていると思う。

まぁそんな感じでV最終作『赤緑黒白』である。本作はどう考えても(とは言わないけど)S&M〜Vまでの20連作の中で最も難易度の高いミステリィだと思う。もし簡単だとすればそれは読者だからである。もしトリックに不満があるとするならそれもまた読者だからである。だからこそ紅子さん達は狂気じみた連続殺人に戦慄するし、そこから人間の意志を垣間見ようとする。登場人物の目線にたってみれば、物理法則や世の中の道理に囚われていては解けない本作の謎は、非常に難易度が高いと思う。そしてそれがリアリティだと思う。紅子さん達が生きている世界の「リアリティ」。その点に関していえば森博嗣はかなり生真面目に物語世界の「リアリティ」を突き詰めて作品を書き続けていると思う。

まぁそんなものはミステリィ小説の役割ではないし、そもそもミステリィなのか、って言われちゃうと元も子もないんだけど、そもそもミステリィというジャンルの観念的部分は読者が創り上げるものなので、誰かがミステリィだって言えばミステリィになるし、ミステリィじゃないって言われたってまぁそれでもいい。そんな読者の思いに、作者が詰め寄る必要もない。だから、この作品はこのままが良いし、このままが素敵だし、このままが凄いと思う。本作の後に、四季があって、Gシリーズ、Xシリーズと続けてきたことを鑑みると、やっぱ「森博嗣は強かった」と心から思う。なんかわけわらん話になってしまった笑。

でも、だからこそ、森博嗣は読者に媚びちゃいけないし、ブレちゃいけない。その純粋な思考を信じて書き続けて欲しいと、今はVシリーズの余韻に浸りながら願っている。

No.31 8点 朽ちる散る落ちる- 森博嗣 2015/03/04 21:35
登場人物にテロリストがいたのでどんなとんでもない話になるのかと思いきやVシリーズらしいお話に安心したのは良い思い出。それにしてもとんでもなかったけど。宇宙密室と地下密室、とんでもない密室の二段構えでとことんミステリィを(下のコメントを見ると言いづらいけど…)楽しめた。とくに宇宙密室の方はシビアで良かった。らしさ全開の地下密室もまぁまぁ好きだけど。
そしてここまでくるとキャラクタの動きもかなり活発。いろんなところにあった伏線も回収され始めて、そしてまた謎が出てきて…。読むたびに面白さが増幅されて飽きさせないのは僕だけでしょうか。下を見ると不安になる…。

No.30 9点 捩れ屋敷の利鈍- 森博嗣 2015/03/02 22:41
スリムになってよりシャープになった、森作品の可能性を感じる記念すべき一作、と勝手に自分は思っている。
ミステリィの面白さ、サスペンスの緊張感、保呂草のハードボイルドも損なわれず、全てが抜群に機能しているのが素晴らしい。
作品がスリムになってより鋭さを増した森ミステリィと、捩れ屋敷それ自体が殺人のトリックに利用されていないという切れ味の悪さ。タイトルに偽りなし、まさに「利鈍」である。
しかしながら、これこそミステリに必要な「リアリティ」であると思う。特殊な屋敷がそこにあるからそれを利用しよう、だなんてねぇ。登場人物が読者とお友達だったらありえるのかもしれないけど笑。でもだからこそ、森博嗣のミステリィには、「人間の確かな意志」が宿っていると思う。
そんな感じでミステリィの世界で起きるトリックの幻想を指摘しながらも、新たなトリックを仕掛ける著者はプロフェッショナルだなと思う。犯人当てのアイデアはびっくりしたけど、これがミステリィだと、自信をもっていえると思う。いい作品でした。

でもってもう一つの方のトリックはファンのみなさんで楽しみましょうか。できればいろんな人に痺れてほしいけど。

No.29 7点 六人の超音波科学者- 森博嗣 2015/02/28 21:45
だいたいにおいて、正念場の実体は、本当の正念場よりも、ずっとまえにある。(『恋恋蓮歩の演習』より)

もしかしてこれかな。正念場。最高。さぁ、次へ。

No.28 8点 恋恋蓮歩の演習- 森博嗣 2015/02/24 20:34
保呂草って、人間味のあるすっげぇイイ奴でな気がするんだけど、意外と読者の反応は割れるんだよなぁ。ハツラツな奴等だらけの本シリーズにおいて一人ハードボイルドな彼はかなり損な役割な感じがするけど、森氏の愛情が強く感じられるのでこの保呂草というキャラクタは大好きだ。
そんな保呂草が森氏によって"忙殺"される本作。あまりの忙しさ(!?)に保呂草がほんの少し自身の内側を見せてくれました。でも「見せすぎない」から、読ませるわけだ。でもって作品に漂うセンチメンタリズム。そして確かなミステリィ。
毎度毎度けっこうスゴいことやってると思うんだけどなぁ~。そんな気取らないスタンスも自分好みな森作品である。

No.27 7点 今夜はパラシュート博物館へ- 森博嗣 2015/02/14 02:27
前2作の短編集よりも、全体の流れが良い。シリーズ短編とオリジナルを前半と後半で分けた並びも気に入っている。
初短編集の『まどろみ消去』から比べると、良い意味で力の抜けた感じがする。7割ぐらいの感じで、著者の力加減が絶妙な作品集になっていると思う。この「7割感」を点数に反映した。読む側のコンセントレーションも7割ぐらいで楽しめた、ということで。
前半の短編(『どちらかが魔女』~『ぶるぶる人形にうってつけの夜』)は、まぁ、楽しみ方次第でどうにでもなる感じ。シリーズものなので、読者(とくにファン)の食いつきは良いことでしょう。
そんでもってノン・シリーズ短編である。個人的にはかなり思い出深いものが多い。
『ゲームの国』は東野さんの『名探偵の掟』みたいなアンチめいた作品になっているけれど、あれよりも砕けてるし、オシャレ感があってふつうに面白い。
『私の崖はこの夏のアウトライン』、『卒業文集』、『恋之坂ナイトグライド』はある意味でかなり思い出深い短編で、初読した当時、この世界観にはまり過ぎて恥ずかしながら自分も短編に挑戦したのである。もちろん駄作だけど、それぐらいはまっていた。
でも改めて読むと、ラストの『素敵な模型屋さん』が一番好きかな。駆逐艦的に言うと「撃沈」な世界観。ほんの少し年をとって、ノスタルジックになったわけだ。喜ばしいことなのか。でもこの変化が再読においてエッセンスになったので、ノスタルジックも悪くはない。

No.26 8点 魔剣天翔- 森博嗣 2015/02/11 15:31
まぁ、相変わらずの良作である。「空中密室」がなかなかのインパクトだったので、Vシリーズの中ではミステリィとしてのウケがイイ方の作品なのかな。
各務亜樹良が初登場である。主要キャラがだいたい揃って、みんなそこそこ出番があるので、ファンとしては読みがいがある。とくに保呂草は一気にハードボイルド調に。なんか日本人が描くハードボイルドって絶対にハンフリー・ボガートみたいにはならないし、たまにエディ・マーフィみたいな、嘘だろ!? みたいなのもいるけど、その点保呂草潤平はかなりツボなキャラクタだし、エンジェル・マヌーヴァを巡るサイドストーリーはかなり楽しく読めた。森博嗣はハードボイルドが一番巧いんじゃないか。そして紫子ちゃんは一番出番少なだけど一番カワイイというお得なキャラだろう。いや、単純に可愛らしかった笑。
あと印象に残ったのは、今のところ森作品では最初で最後になっているダイイング・メッセージの登場でしょうか。こういうところは森博嗣のわざとらしさというか、いわゆるアンチみたいな使い方ですが、そんなところにキュンとしてしまう森ファンなのでした。

No.25 8点 夢・出逢い・魔性- 森博嗣 2015/02/11 15:31
再読。やっぱVシリーズは面白い。
初読の時は、スピーディな展開と二重三重に仕掛けられたトリックに騙されっぱなしでしたが、トリックをわかったうえで改めて読んでみると、とにかく「見せ方」が巧い。トリックという「技」をたくさん持っていても、どうやって見せるか、その演出次第でミステリィにおける「技」の効力も変わってくる。キャラクタにもこだわっているVシリーズが目指しているのはこの「技」の「見せ方」だと私は思っている。ミステリィの世界じゃないと受け入れられない大胆不敵な犯罪と、現実世界にいたら完全に浮世離れなキャラクタが、フィクションの世界に於いてどれだけリアリティをもって描くことができるか、その追求と試行錯誤がVシリーズ。だと思う。それが見事に昇華されたのがGシリーズとXシリーズだと思うが、まぁそれついては置いておく。

というわけで本作だが、本作も著者が得意とする密室と、同じく得意とする叙述を用いたトリックが扱われている。とりわけVシリーズは前シリーズのS&Mに較べて大胆な事件が多い。『黒猫の三角』~『夢・出逢い・魔性』の中で見ても、全ての作品で物理的に密室状態と見られるシチュエーションで殺人が行われ、密室状態と定められる条件として、ほとんどの事件が衆人環視のもとで行われているように思う。しかしながら、仕掛けはいたってシンプルなものが多い。そもそもの条件が異なっていたり、ミステリィにしてはややアナーキーな機会仕掛けだったり、本気になって考えるとやや肩透かしにも思えるものが多い。しかし、このトリック群をどうやってソレっぽく見せるかという点に対して、著者のアプローチは常にベストなものになっていると思う。「リアリティ」という言葉を小説に対して使うとしたら、このシリーズ作品こそ、「リアリティ」のあるミステリィ小説だと私は思う。

というわけで本作だが(2回目笑)、動機がなんだかよくわからないのである。これはS&Mの4作目『詩的私的ジャック』に対応しているという意図もあると思うが、多くのミステリィで重要視される動機が、こと森作品に関してはぞんざいに扱われているように思う。まぁある意味克明でもあるのだが。
多くのミステリィでの「動機」はその事件の特異性を、なんとかリアリティのあるものにさせるための、いわばトリックの「必然性」を裏付ける最後の生命線として、扱われていると思うが、おそらく森博嗣は犯人の証言なんて戯言程度にしか思ってないんだと思う。犯人が正直に語ってるからそれが正しい、なんてものは所詮は小説の世界の論理であって、密室殺人とかダイイング・メッセージとかと同じようなものだという扱い。だから森博嗣は密室殺人に人間の強い意志を感じさせながらも、動機ですべてを納得させようとはしないんだと思う。それが小説の世界に与えられるせめてもの「リアリティ」だと言わんばかりに。

そんなことを考えて読んでました。

No.24 9点 月は幽咽のデバイス- 森博嗣 2015/02/08 00:05
「森博嗣の作品はミステリィやトリックを楽しむものではなくて、その本質は登場人物の思考や思想にある」
森博嗣あるある、というより森作品の感想あるある。
とにかくこの手の感想を見ることが多いんだけど、個人的にはこれは真逆だと思っている笑。そして本作も。ていうかミステリィに比重置いていないとこのトリックは思いつかないと思うんだけどなぁ。自分がミステリィにそこまで強いこだわりがないのと知識不足だからかもしれないけど、この密室トリックがなんで受け入れられないのかがイマイチわからない。もちろん自分はこのトリック全然わからなかったけど。でもヒントはしっかり提示されているし(水槽とか)、狼男の話がエキセントリックなようで暗喩になってて面白いし、逆に、ヒントだけ残して闇の中になった疑問もあって、ミステリィの一ファンとして非常に考えさせられる作品だった。でもってこの大掛かりなミステリィをキャラ萌えで覆い隠しているのが一番巧妙なトリックかな。いやぁ、参りました。

まぁ森作品が過小評価されているとは思いませんが、自分が過大評価しているとは思います。でもやっぱ好きなんだよなぁ。Vシリーズを再読して思いは強くなるばかりである。

No.23 9点 人形式モナリザ- 森博嗣 2015/02/08 00:04
Vシリーズはとにかくスタイリッシュ。人物描写は弾けているけどミステリィはキレ味抜群でしかも奥ゆかしい。もちろん本作『人形式モナリザ』も例にもれず良作のミステリィであり、大満足である。
本作の特徴は、『冷たい密室と博士たち』を思わせる、本格へのアプローチ。ミステリィのセオリィに沿った作品という印象。動機、犯人、手法そして思想が序盤からかなりきっちり書かれているので展開はかなりわかりやすい。そしてモナリザの謎、保呂草潤平の謎、紅子、林、祖父江の三角関係等々、本筋のミステリィを取り巻くギミックも多く、しかもテンポが良いのでもうルンルンである(この表現で合ってるかは不明)。
そしてやはり注目はラスト1行なのか?? これは別にラスト1行でどんでん返しみたいなものじゃなくて、ひっくり返ってるのをちゃんと元に戻したような感じの、普通に綺麗な終わり方だと思う。編集部が「ラスト1行 衝撃の展開」みたいな宣伝をしたのかなぁ。すごいみんなラスト1行に触れててびっくりした。

No.22 10点 黒猫の三角- 森博嗣 2015/02/08 00:04

S&Mの再読が終わったので、まぁ流れにのってVへ。この「V」は瀬在丸紅子の「V」ということは瀬在丸ヴェニ子ということか。はい、どうでもいい。

改めてこの「V」シリーズは瀬在丸紅子を主人公に据えて、保呂草潤平、小鳥遊練無、香具山紫子を中心に登場人物が入り乱れて繰り広げられる群像ミステリィである。それを踏まえて本シリーズ1作目、『黒猫の三角』である。再読して思ったのは、「森博嗣ミステリィやってるなぁ」。Vシリーズは全体的に前シリーズのS&Mよりもミステリィの要素が強くてトリックの次元も高い‥‥と、思ったらこのサイトを見ると同意見ほぼゼロ、他サイトとか見ても少数意見。どないなっとん!? とまぁ、ほどほどに驚いた。

それよりも驚いたのはやはり本作のトリック。『すべてがFになる』に対応してるのも面白い。形式美・様式美にこだわる作者らしい。しかもアソビもある。パーフェクトこのうえない、と僕は思ってます笑。

あと、「幽霊を見た」の件への批判をサイト内外で散見しますが、あれはたぶん何も問題ないかと。というかちゃんとアプローチ書いてあったような。直接的ではなかったですが。

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ひとこと
☆2015年版☆
昨年のS&Mシリーズのドラマ化の影響ではないのですが、森博嗣の作品を再読し始めて、どっぷりハマってしまいました。なんなら初読の時より熱くなっています。もう止まりません。なので今年は森...
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森博嗣
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