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乱歩の選んだベスト・ホラー
森英俊・野村宏平編
アンソロジー(国内編集者) 出版月: 2000年03月 平均: 6.00点 書評数: 2件

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筑摩書房
2000年03月

No.2 6点 蟷螂の斧 2021/06/04 17:18
①「猿の手」W・W・ジェイコブズ 8点 三つのお願いが叶うというが・・・不気味
②「猫の復讐」ブラム・ストーカー 5点 題名通りのお話でした(苦笑)
③「歩く疫病」E・F・ベンスン 5点 巨大なナメクジのような物が出現
④「樽工場の怪」コナン・ドイル 6点 二人が痕跡もなく行方不明となり、一人は骨を砕かれ死亡。犯人は?
⑤「ふさがれた窓」アンブローズ・ビアス 5点 最後の一行もの。伏線があれば効果的?
⑥「廃屋の霊魂」マーガレット・オリファント 4点 こちらも題名通り。医者は幽霊など信じないが・・・
⑦「ザント夫人と幽霊」ウィルキ―・コリンズ 6点 幽霊ものに恋愛を絡めた点が面白い
⑧「魔法の鏡」ジョージ・マクドナルド 8点 鏡の中に存在する姫を愛してしまった青年。こういったファンタジーは好きなんだなあ(笑)
⑨「災いを交換する店」ロード・ダンセイニ 5点 名作?らしい。これも題名通りなんだけれど
⑩「専売特許大統領」W・L・アルデン 5点 年に数十回狙撃されるという大統領。その正体は?。ホラーではなくユーモア系
⑪「蜘蛛」H・H・エーヴェルス 8点 狩久氏が子供のころ読んで妙に心に残っているという作品。アパートで連続して3人が首を吊った。そこに蜘蛛がいた。勇気ある青年がその部屋に住むが・・・
⑫「目羅博士」江戸川乱歩 3点 「『蜘蛛』という短篇から借りたものだが、全体の筋は私自身の考えによっている」とはありますが、どう見ても「翻案」ですね。

No.1 6点 mini 2014/06/30 09:59
発売中の早川ミステリマガジン8月号の特集は、”幻想と怪奇  生誕120周年乱歩から始まる怪奇入門”
ミスマガ夏の恒例特集だがほぉこうきたか

戦前はトリッキーな本格派一辺倒だった乱歩が戦後にホラーに傾倒していた時期が有る、このアンソロジーはホラーに関する乱歩流エッセイに名前が挙がった中短編から、森英俊・野村宏平両氏が選んだものだ
多分だが乱歩が自分で編んだとしたらこんな感じになるのではという想定で両氏が編んだものだと思う、乱歩自身で編んだホラー・アンソロジーは存在しないのだろうか?
埋もれてたり権利関係の問題とかもあって難しかったのだろうが実際に乱歩本人の編んだホラー・アンソロジーも読んでみたかったなぁ
と言うのはですね、ジェイコブズ「猿の手」やエーヴェルス「蜘蛛」みたいないかにも乱歩が好きそうな作に混じって、乱歩のエッセイ中で言及された作品という選択肢の制限が有るとは言えW・コリンズ「ザント夫人と幽霊」みたいなあまり乱歩好みとは思えないものも散見されるので、乱歩自身だったら何を選ぶのか興味が湧く

さて収録作中で書評者としての私の個人的ベストはP・マクの祖父にあたるファンタジー作家ジョージ・マクドナルドの「魔法の鏡」とロード・ダンセイニの「災いを交換する店」の2作
偶然に両作家とも本職がファンタジー系で収録作もホラーと言うより奇談に近いものだろうが、ミステリー的興味とホラー感覚とのバランスが取れており、敢えてラストにきちんと謎解きをしない所が好きだ
その点いかにも乱歩が好きそうなエーヴェルス「蜘蛛」は少々ミステリー的視点に偏り過ぎているように感じた
エーヴェルス「蜘蛛」に触発されて乱歩が同じ着想で書いた「目羅博士」がアンソロジーの最後を締め括る
この「目羅博士」、ミスマガ8月号にも載っていたのには驚いた、やはり便乗企画にこのアンソロジー選んだのは正解だった
でも実は最も面白く読めるのは冒頭に置かれた「怪談入門」と題する乱歩のホラーエッセイである、その情熱に圧倒される文章はこれこそ乱歩だ


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