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[ サスペンス ]
ラジオ・キラー
セバスチャン・フィツェック 出版月: 2007年12月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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柏書房
2007年12月

No.1 5点 メルカトル 2013/11/20 22:23
数々の難事件を解決に導いたベルリン警察のベテラン交渉人、イーラ。彼女は長女ザラの自殺に心を痛め、その日が彼女の最期になるはずだったが・・・しかし、皮肉にもラジオ局を乗っ取っての立てこもり事件に駆り出されることになってしまう。
事件の犯人はサイコな知能犯で、人質を盾に殺人ゲームを始めようとしていた。しかも彼の要求は事故で亡くなった恋人を連れて来いというものだった。
とまあ、なかなか派手な展開で、飽きることなく楽しませてくれる。主人公のイーラの心理描写もよく描き込まれている上に、各登場人物の造形がしっかりしているのは好感が持てる。
アマゾンではすこぶる評価が高いが、私にはそれ程でもなかった。確かにスピード感あふれるサスペンスは一読に値するとは思うが、この程度なら日本の作家のほうがよりきめ細やかに描くことができるだろう。ただ、翻訳物独特の雰囲気のようなものは勿論真似できるわけではないけれど。
後味は悪くなかった。果たしてアル中でシングルマザーの主人公がこの事件を通じて得たものは何か、その後彼女はどんな人生を歩んでいくのか、その辺りも想像をかき立てられる。


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