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[ 本格/新本格 ]
しずるさんと偏屈な死者たち
しずるさん&よーちゃん
上遠野浩平 出版月: 2003年06月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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富士見書房
2003年06月

星海社
2013年07月

No.1 6点 人並由真 2019/07/26 05:13
(ネタバレなし)
 「私」こと少女のよーちゃんは、今日も入院中の同年代の女子しずるさんのお見舞いに出かける。謎の病気で何年も病床につく儚げな美少女しずるさんだが、その心は強く、そして頭脳は明晰だった。しずるさんは、山中の唐傘妖怪、宇宙人に心臓を抜かれた死体、謎の幽霊犬、そして空中から消えた奇術師など、世間をにぎわす怪事件に興味を向ける――。

 「月刊ドラゴンマガジン」に2001年から2003年にかけて掲載された、全4編のライトノベル仕様の謎解きミステリ。各編で提示される不可思議な謎はなかなか魅力的だが、真相は名探偵しずるさんの、ほぼ直感による推察。せっかくワトソン役のよーちゃんがいるのだから、多重推理までとはいかないまでも、もうちょっとディスカッションすればいいのにとも思わないでもない(もちろんそういう部分が100%皆無、でもないけどね)。
 作者の名前を聞いて、さらにこの設定で、このライトノベル仕様で期待する、ややぶっとんだ真相は、1話の唐傘妖怪風の死体の謎解きがいきなり頂点。真相の状況は絶対にリアルにありえないとはいえず、想像するとちょっとコワイ。
 その後の2話はちょっとE・D・ホックっぽい感じだし、3話もある有名な名作海外短編ミステリの変奏みたいでそれぞれそんなに悪くない。最後の4話が一番落ちる。

 前述のホックの連作短編みたいな味わいもあるシリーズだし、続刊もあるみたいなのでこれも少しずつ読んでいこう。


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上遠野浩平
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