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[ 本格/新本格 ]
桜闇
建築探偵シリーズ
篠田真由美 出版月: 1999年04月 平均: 6.00点 書評数: 3件

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講談社
1999年04月

講談社
2005年09月

No.3 7点 nukkam 2011/05/29 15:45
(ネタバレなしです) 1999年発表の建築探偵・桜井京介シリーズ唯一の短編集です(番外編の短編集は他にありますが)。繊細で多彩なキャラクター描写と彼らが織り成す人間ドラマをじっくりと構築していく作者なので、ページ制限のある短編ではどうだろうかと読む前には不安がありましたが、これはこれでよくできています。変則的二人称形式という大胆な小説技巧が光る作品、桜井京介の名前を1度も使わない不思議な作品、ほのぼのした家庭ドラマみたいな作品、虚しさと哀しさしか残らない作品、ミスディレクションが巧妙な謎解きの作品などバラエティーに富んでいます。

No.2 4点 Tetchy 2011/05/22 11:19
本格ミステリの短編といえば、限られたページ数という制約があるため、物語性よりもトリック、ロジックの切れ味が味わえるが、本書では逆に篠田真由美という作家が本格ミステリにはあまり向いていないことが露呈した作品集となった。
主眼はあくまでもトリック、ロジックの妙味にはなく、長編同様に登場人物の抱える心の闇や建築物に込められた念や思想といった部分に準拠した人の行為が真相になっており、これはもはや本格ミステリではないといえるだろう。謎自体は非常に魅力的なのにもかかわらず、推理のカタルシスをこれほど感じない短編集も珍しい。

2作目の「井戸の中の悪魔」、3作目の「塔の中の姫君」、3作目の「捻れた塔の冒険」、6作目の「永遠を巡る螺旋」は「二重螺旋四部作」と作者自身が名付けているが、要は同じような謎における推理のヴァリエーションで2つも3つも短編を拵えているような感じなのだ。従って個々の作品で開陳される誤った推理が少なく、あえて述べないことで別の作品で使用しようとしていると感じる、とまで書くとさすがに意地の悪い見方になるだろうか。

No.1 7点 vivi 2008/01/08 01:12
短編集なのですが、これはかなり楽しめました。
結構「おっ!」と思うトリックが炸裂していて、
HOWを考えるのが楽しかったです。

キャラクターは相変わらず重いものを引きずってますが(^^;


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