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ミステリの祭典

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相葉さんの登録情報
平均点:6.00点 書評数:1件

プロフィール| 書評

No.1 6点 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件
麻耶雄嵩
(2004/05/14 23:42登録)
まず思ったのが、狙ったな、ということである。
木更津、メルカトル、そして香月と「まったく人間が書かれていない」こと。これは作者が意識的に行っていることだ。だからこれを読んで「人間が書けていない」と論評するのは筋違い。
ただ、そういうことではない。
ラストのどんでん返しは、果たして探偵たちがもっと生き生きと書かれていたら、どれほどの衝撃だったか。犯人やトリックも同じことで、少しオーバーにいえば、綾辻行人ほどの巧さがあれば、これは畢生の傑作となりえただろう。
他の麻耶作品を読んでいないのでわからないが、きっとこのような本格はもう書けていないだろう。コア色が強くなるあまり、袋小路に入ったか。どうなんだろう?

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