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ミステリの祭典

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ネオさんの登録情報
平均点:8.00点 書評数:2件

プロフィール| 書評

No.2 9点 死にぞこないの青
乙一
(2004/10/08 20:40登録)
ぜんぜんミステリじゃないんだけど、青春小説としてはかなりいい作品だと思った。ところどころでおもわず涙ぐむところがあり、ホラーというより泣かせ系の小説かな?


No.1 7点 夏と冬の奏鳴曲
麻耶雄嵩
(2004/07/28 15:59登録)
採点するのもいまさらという気がするが、今になっても作品の評価が定まらないというのが問題作たる所以だろう。

近代絵画におけるキュビズムの手法で小説世界を解体してしまおうというのが基本的なアイディアなのだろうが、それが小説においても有効であるかはさておき(普通に考えたら妥当ではない)、口で言うのは簡単でも実践するのは言うほど簡単ではない。一般読者から評論家に至るまで作品が理解できないというのは多分正しくて、それは確信犯的のもであれ責任は作者に帰する。

そもそも全てのミステリーが結末において世界を異化しようとするものである以上読者の感想からも分かるようにその点に関しては成功しているといえる。麻耶雄嵩はミステリー界においても特異な存在だがこの作品が単に個人によるものであるというよりは、綾辻行人以降のいわゆる第三の波の中で必然的に書かれたものである。この以降も京極夏彦など有力な作家の出現を経てミステリのメタ化・パロディ化はさらに進んだがこの作品以上のものを即答することは難しい。90年代のミステリ復興以降の頂点に君臨するものの一つであることは間違いないだろう。

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