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ミステリの祭典

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平成起伏さんの登録情報
平均点:7.50点 書評数:2件

プロフィール| 書評

No.2 9点 雨は心だけ濡らす
北方謙三
(2018/04/18 21:31登録)
30年ほど前の作品です。
今更!の書評ですが、好きな作家で片端読んでいたころ、女性を主人公にするハードボイルドが確立するのだ!とビックリし、また引き込まれた作品です。
駆け出しインテリアデザイナーが主人公。理不尽な妨害を受け、仲間も失い、自身の置かれたトラブルに自ら立ち向かう、そのすがすがしさとタフさにまいりました。
脇を固めるベテラン著名建築家の女性のキャラが極だっていてこれも良い。
このころの北方作品は題名もかなり気取ってますが、これもちょっと外れるとスベりそうな感もあるが、まさに作品の本質を表していて、とにかくかっこよいです。
この時代、携帯電話もスマホもありません。出てくるクルマも当然マニュアル。何をするにも体力や忍耐力がいった時代を思い出させつつ、今読んでもおそらく引き込まれる人は多いのでは、と思います。
数年たつとまた再読したくなる作品です。


No.1 6点 盤上の向日葵
柚月裕子
(2018/04/18 18:03登録)
読み進むにつれ、時代を隔てた物語のつながりが理解できるとともに、およその結末まで見えてきてしまうところが、やや、物足りないようにも感じた。
たまたま現在、年少のプロ棋士が大活躍の時代なので、この設定はつかみがよかったこともあるかな、と。
事件を追う刑事の人生も将棋に関わる暗い過去があり、それも良いキャラ設定かと思いました。
この作家の作品は全作読んいますが(やや失礼な感想かもしれないけれど)テレビドラマの2時間サスペンスにしたら受ける筋だなぁといつも感じます。
登場人物の造形やキャラもある程度立っていて、一気読みができる、どちらかといえば、重いテーマでも(本作も虐待、はたまた近親相姦・妊娠など、とんでもない底辺もありますが)なぜかさらっと読めるところに、うまさがあるのかな、とも思います。

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