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ミステリの祭典

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幽霊
87分署

作家 エド・マクベイン
出版日1982年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2018/07/08 10:00登録)
 アパート前の歩道で胸を一突きにされて殺されていた女。そぼ降る雪の中鑑識の到着を待つうち、キャレラは上階のベストセラー作家もメッタ刺しで殺されている事を知らされる。さらに作家の同居人は、愛妻テディと瓜二つの女性だった。彼女は霊媒で、殺害された作家のベストセラー本は実在する幽霊屋敷の体験記だという・・・。
 シリーズ第34作。この年代の87分署物は軽快な筆致でスラスラ読めます。季節はちょうどクリスマス前なので誰も仕事なんぞしたくありません。押し付け合った挙句、負けたマイヤーはゲンの悪い刑事オブライエンと組まされ、案の定空き巣に撃たれて貧乏籤。気が差したキャレラは病院にウィスキー持って見舞いに行きます。
 テディのそっくりさんは言動がアレなので、刑事たちには「あのおばけ」とか呼ばれてます。なんと双子で、姉妹そろってキャレラを誘惑します。「わたしたち三人」とか意味深な事を言っちゃいます。
 事件の方は続けて担当の編集者もメッタ刺しで殺され、さらに作家の前妻も海で水死したことが分かります。ろくに手掛かりも無いままキャレラはズルズルと霊媒に引き摺られるように、問題の幽霊屋敷で一夜を明かすのですが・・・。
 原題はズバリ"GHOSTS"。複数形ですね。6体ほど現れますが、あまり怖くありません(7体かな)。そして作家と幽霊と来れば、やはりあのネタです。そこそこ面白く読めますが、特にヒネリも無く結局たいしたことないので5点止まりですかね。裏表紙で衝撃作とか煽ってますが、別にそんな事ないです。

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