home

ミステリの祭典

login
虚数の眼
湯川幸四郎シリーズ

作家 湯川薫
出版日1999年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2015/09/05 23:22登録)
(ネタバレなしです) 1999年発表の湯川幸四郎シリーズ第2作の本格派推理小説です。本書を読んだ都筑道夫が「二十一世紀の小栗虫太郎」と誉めてますが、あの「黒死館殺人事件」(1934年)の難解さに頭を抱えた読者層にとってはこれはマイナスの宣伝効果ではないでしょうか(笑)。かなり覚悟して読みましたが、ありゃ意外と読みやすい。確かに作中で膨大な知識が披露され、理系の苦手な(芸術系や歴史系も苦手です)私にとってはわかったようなわからなかったようなもやもや感がつきまといますが、ちゃんと謎解きと融合されていますのでプロットに無駄がありません。殺人トリックが非常にユニークで印象に残りました。なおデビュー作「ディオニシオスの耳」(1999年)のネタバレが作中であるので未読の方は注意下さい。

1レコード表示中です 書評