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ミステリの祭典

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ジョージ・サンダース殺人事件

作家 クレイグ・ライス
出版日2015年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2015/09/02 09:00登録)
(ネタバレなしです) 実在した米国の人気俳優ジョージ・サンダース(1906-1972)の名義で1944年に発表された本格派推理小説で、サンダース自身が主人公で探偵役です。英語原題は「Crime on My hands」で原書房版の日本語タイトルは個人的には感心しません(別にサンダースが殺されるわけではない)。それ以上に遺憾に思うのは代作者であるクレイグ・ライスの名前ばかりハイライトされていますが、実はSF作家のクリーヴ・カートミル(1908-1964)との共同執筆なのです。しかしそのことは巻末解説で簡潔に触れているだけで、カートミルにとってちょっと不公平な扱い方だと思います。まあ内容的には、例えばサンダースが犯人をおびき寄せようとすると、次から次へと容疑者が集まってきて罠が台無しになってしまうなどライスらしい作風になっており、共作といってもライス主導だったであろうとは思いますが。俳優として探偵役を演じるのはもううんざりと言いながら事件に巻き込まれて真剣に探偵役を務めるサンダースの描写が面白く、起伏に富んだプロットで読ませる作品です。

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