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ミステリの祭典

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出口のない農場

作家 サイモン・ベケット
出版日2015年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2016/01/11 14:16登録)
ある秘密を抱えて逃亡中の英国青年ショーンは、フランス片田舎の森の中で、仕掛けられた狩猟用の罠で大怪我を負い意識を失う。彼が目覚めた居場所は、父親と2人の娘が社会と隔絶して暮らす不穏な雰囲気に満ちた農場だった---------。

法人類学者デイヴィッド・ハンターシリーズで知られる作者による単発ものサスペンス。昨年出版された新・3大〈農場ミステリ〉の一冊ですw(ちなみに残りの2冊は「悪魔の羽根」と「薔薇の輪」)。
本作は”監禁もののサスペンス”とも紹介されていますが、けっして強制されたものではなく、父親の農場主は当初ショーンを追い出そうとします。逃亡者という主人公側の事情で農場に隠れとどまるわけですが、やがて農場主一家のほうにも何やら隠された秘密があることが分かってきて....という展開です。
強権的な父親、幼子を抱えた長女と消えた夫、ショーンに色目を使う次女。主人公を含め主要な登場人物だれもが秘密を抱え、思わせぶりな謎を小出しにして物語を引っ張っていきますが、じらされた末に明かされる真相は、まあだいたい予想の範疇でした。(ある家畜が出てきた段階でイヤな予感がしていたw )それでも陰惨な真相のわりに、ラストのエピソードがあって読後感はそう悪くはないです。

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