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ミステリの祭典

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剣闘士に薔薇を
元老院議員プブリウス・アウレリウス・スタティウス

作家 ダニーラ・コマストリ=モンタナーリ
出版日2015年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2022/12/25 11:06登録)
訳者あとがきによれば元教員だったというイタリア人女性作家による、古代ローマを舞台とした元老院議員プブリウス・アウレリウス・スタティウスが探偵として活躍するシリーズの第4作です。1994年の発表ですが、2000年の映画『グラディエーター』によって、さらに売り上げを伸ばしたとか。原題 "Morituri Te Salutant" は『グラディエーター』にも出て来るラテン語で、本書では「死なんとする者どもがお別れを申し上げます」と訳されています。
一番人気の剣闘士が闘技場で暗殺され(毒殺と思われる)、それに政治的陰謀が絡まってくるという筋立ては派手で、だからこそ本作が最初に翻訳されたようですが、そんな大げさなプロットばかりのシリーズでもなさそうです。謎解き的には、悪徳法廷演説家に対する証拠の扱い部分が不満でした。
併録されている中編『イシス女神の謎』の方がすっきりしたパズラー構成になっています。

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