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ミステリの祭典

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タフガイなんて柄じゃない
私立探偵アロー・ナジャー

作家 ジョン・ラッツ
出版日1978年07月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2015/11/13 23:38登録)
すでに10冊以上書かれているものの、邦訳はたぶん3冊だけのアロー・ナジャー・シリーズの第1作です。邦題は、ハードボイルド史上おそらく最も臆病な探偵であるナジャーにちなんで勝手に付けられたもので、原題は全く異なり、"Buyer Beware"。これについては、巻頭に「何をつかまされるかわからないから買い手は御用心」というラテン語が引用されています。また、作中にも「“買手は損しないように気をつけろ”という格言は、時代遅れだ」(p.63)という記述があります。この言葉と事件解決後のラストを考え合わせると、なるほどという感じです。
事件そのものは、ナジャーが得意としている親権のある親から依頼されての子どもの「合法的誘拐」のはずが、殺人事件に発展していく、いかにも私立探偵小説的な展開で、最後はかなり大がかりな捕り物になります。しかし。最初の依頼の件は、結局どうなるんだろうと、ちょっと疑問も感じました。

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