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ミステリの祭典

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Terminus

作家 ボアロー&ナルスジャック
出版日2001年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2015/08/20 23:25登録)
― パリ・ニース間を往復する列車の食堂車シェフであるシャヴァンヌは、妻が自動車事故で昏睡状態にあるとの知らせを受ける。妻のコートのポケットにあった画廊の展覧会案内。その画廊に出かけた彼は、そこで見た絵に愕然とする。―
1980年発表の未訳作品です。このコンビ作家は、1979年の『銀のカード』まで順調に翻訳されていましたが、その後書かれた10冊以上のうち翻訳されたのはジュヴナイルを除けば皆無です。ここまである時点を境に完全紹介から完全無視になった作家も珍しいでしょう。そんなわけで、日本ではその存在すらほとんど知られていない作品です。
読んでみると、ずいぶん変わったなというのが第一印象でした。異様な謎や強烈なサスペンスはなくなり、主人公の心理(と行動)をじっくり描いた心理小説になっているのです。最後いかにもなどんでん返しはありますが、意外性よりも、だからこその結末の哀しさが印象的でした。

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