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ミステリの祭典

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ロマンス作家は危険
ペイシェンス・マッケナシリーズ

作家 オレイニア・パパゾグロウ
出版日1986年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2015/08/16 21:35登録)
(ネタバレなしです) 米国の女性作家オレイニア・パパゾグロウ(1951年生まれ)はウィリアム・L・デアンドリアの夫人で、ジェーン・ハッダム名義でもミステリーを書いています(本国ではパパゾグロウよりハッダムの方で知られているかも)。6フィート(約183センチ)の身長にコンプレックスを抱くロマンス作家ペイシェンス・マッケナシリーズを書いており、本書は1984年発表のシリーズ第1作となる本格派推理小説です。ロマンス作家の世界が描かれていますが甘かったり夢見るようなところは微塵もなく、むしろどろどろしていますね(笑)。プロットが複雑なだけでなく、終盤には会話が噛み合わなくなるような場面が増えて難解さに拍車をかけています。このまどろっこしさがサスペンスを生み出してもいるのですが、私のような短気な読者にはちょっとつらかったです。密室トリックは小手先のトリックですが謎解きはしっかり伏線が張られています。なおハヤカワポケットブック版裏表紙の粗筋紹介が第30章の内容までばらしているのは少々やり過ぎではと思います。

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