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ミステリの祭典

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死は海風に乗って
ヘンリ・ティベット

作家 パトリシア・モイーズ
出版日1984年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2015/08/14 12:26登録)
(ネタバレなしです) パトリシア・モイーズ(1923-2000)は夫の引退を機に英国領ヴァージン諸島へ移住し、そこで生涯を全うしていますがその影響かミステリーでもカリブ諸国を舞台にした作品を4作発表しています。1975年発表のヘンリ・ティベットシリーズ第12作となる本書はその最初の作品です。もっともメインの舞台は米国のワシントンDC北西部のジョージタウンで、タンピカ(架空の国)の描写はそれほど多くありません。また魅力的な邦題ですが、海の描写に期待すると肩透かしをくらいます(英語原題は「Black Widower」)。とはいえ作品の出来は水準以上で、政治色も少しありますが伝統的な本格派推理小説として安心して読むことができます。クライマックスシーンではジョン・ディクスン・カー好みの迷路が効果的に使われていたのに驚きました。

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