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ミステリの祭典

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幽霊座
金田一耕助シリーズ

作家 横溝正史
出版日1973年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2015/08/07 09:40登録)
『幽霊座』『鴉』『トランプ台上の首』。金田一モノ中編3編が収録されている。

表題作は歌舞伎の世界が舞台。しかもその劇場、特に舞台裏の奈落が舞台となっている。舞台設定としては抜群だろう。映像化を狙ったような内容だ。
100ページ程度の話で、17年前の失踪事件から始まり、連続殺人も起き、派手な展開なのだが、やや尻すぼみ。舞台は日本的だが、いかにも海外ミステリーを参考にしているなという感じがする。
『鴉』。これも過去の失踪事件が発端となっている。『幽霊座』もそうだが、人間関係がミソ。これら2作は、その辺りを楽しむのがいいだろう。
『トランプ台上の首』はタイトルどおり、生首を見つけるところから始まる。なぜ、首だけが残してあったのか。その他、謎だらけで、ミステリーとしてはもっとも楽しめた。しかし、「蜘蛛」の謎は、ふつうに考えればわかるはず。

3作とも中編なのでやや物足りなさはあるが、横溝らしい雰囲気のある作品群といえる。
異なる作品でだが、等々力警部と磯川警部の両警部が登場するのも本書の楽しみの1つだ。

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