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ミステリの祭典

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柳生十兵衛秘剣考 水月之抄

作家 高井忍
出版日2015年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2015/08/12 22:52登録)
男装の女武芸者・毛利玄達と柳生十兵衛との腐れ縁コンビが、廻国修行の途上で遭遇した”剣客と剣の流派”にまつわる3つの謎を解いていく、本格ミステリと剣豪小説を合体させた連作短編集の第2弾。

「一刀流”夢想剣”」は、柳生新陰流とともに将軍家のもうひとつの御流儀である小野派一刀流の宗家・伊東一刀斎の秘密を題材にしている。”小金ヶ原の戦い”などの背景となる史実に疎いためもあって、この”意外な正体”がいまいちピンとこない。
「新陰流”水月”」は、密室状況の湯場での剣豪の変死事件という不可能犯罪もの。ハウダニット以上に、その時代を反映した凄まじい動機が印象に残る。文句なしに編中の私的ベスト作品。
「二階堂流”心の一方”」は、幻術を思わせる兵法”心の一方”の謎の使い手を巡って、異端信仰もからむ伝奇時代小説風の作品。玄達の女性ならではの推理というところがミソで、この秘密は十兵衛には謎解けない。
収録3編いずれもが実在の武芸者などの史実に基づきストーリーが構成されているので、その知識があればもっと楽しめたと思える。どちらかというと時代小説フアンのほうがフィットするかもしれない。

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