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ミステリの祭典

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潮もかなひぬ

作家 赤瀬川隼
出版日1985年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2017/03/04 14:21登録)
熱田津に、船乗りせむと月待てば、潮もかなひぬ、今は漕ぎ出でな (額田王)

万葉集に隠されているといわれる秘密・暗合を謎とくという趣向の歴史ミステリ。
有名な女流歌人・額田王(ぬかたのおおきみ)の歌などはむしろ例外で、特殊な万葉仮名で書かれた歌の多くは解読されていないものも多数あるらしい。この難題に、全く門外漢のスポーツ・ライターが挑むというところが面白い。

政治的に無色な万葉集のアマチュア研究家が戦時中に特高に拘束されたというエピソードが前提にあって、万葉集と治安維持法との関連?謎(ホワイ)が興味を引きます。ただ、本書が発表されたのは今から30年も前のこと。最大のサプライズで、ロゼッタ・ストーンのような役割をするあるもののは今では一般に広く知られる情報となってしまっているのが、まあ仕方がないのですが、ミステリとすれば残念ではありますね。

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