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ミステリの祭典

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歪んだサーキット

作家 アリステア・マクリーン
出版日1977年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 Tetchy
(2015/08/03 23:19登録)
戦争小説でデビューし、その後も冒険小説、スパイ小説と様々なテーマを題材にしてきたマクリーンが今回選んだ題材はF1レースの世界。ある日突然トラブルに見舞われるようになったトップ・レーサーを取り巻く不審な事故を巡る物語だ。

本書はマクリーン作品では実に読みやすい作品で、つっかえるところなく、クイクイ読めるところがいいのだが、その反面、マクリーン特有のメカに対する詳細な描写がほとんどないのが気になった。ヨーロッパでは有名なモータースポーツに詳細な専門用語を並べることはもはや意味がないとまで思ったのか。いやそれとも晩年の作品は取材する時間をほとんど取らずにテクニックで小説を著していたのか、今となっては解らないが、マクリーンらしい熱が足らない作品だった。題材がそれまでのマクリーン作品の中でも異色だっただけにこれは実に惜しい。

真相も今にして思えばどちらかと云えばありきたりの内容だ。マクリーンの衰えを如実に感じさせる作品だったことが非常に残念だ。

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