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ミステリの祭典

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終戦のマグノリア

作家 戸松淳矩
出版日2015年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2023/10/24 22:33登録)
―巧妙に仕掛けられた数々の伏線が「小さな物語」をとんでもない大きさに成長させる。これぞミステリの王道! ―
そのように宣伝された作品です。確かに、旧家から発見された『木蓮(マグノリア)文書』と題された、大判の紙で60枚ぐらいもある手書き文章の謎を中心に構成され、重犯罪の起こらない本作は、「小さな物語」であると言ってよいでしょうし、その秘密が最終的に海外の国家的事情にまでつながってくるところは「とんでもない大きさ」です。しかしなあ、という気にさせられました。
発見された文書は太平洋戦争終結画策をめぐるものですが、なぜか英語で書かれていて、それを日本語にした形で綴られています。なぜ英語でという経緯も最後には明かされますが、説得力が今一つです。旧家から発見される理由の説明も明確にされていません。まあ、木蓮文書を読み始めた時に感じた文章に対する疑問は、うまく説明してありましたが。

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