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ミステリの祭典

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誰かの家

作家 三津田信三
出版日2015年07月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 kanamori
(2015/08/08 00:06登録)
『赫眼』『ついてくるもの』と同系統のホラー短編集の3作目。雑誌「メフィスト」に2012~14年に発表された6編が収録されています。

今回は、すべてミステリ(謎解き)の成分がない純粋な怪奇譚で揃えていますが、率直に言うと前2作ほどは楽しめなかった。とりわけ、「つれていくもの」「あとあとさん」「ドールハウスの怪」などは、これまでの作品の焼き直しのようなネタで、マンネリ感は否めない。ホラー小説の性格上、話の落としどころがある程度透けて見えてしまうのはやむを得ないとはいえ、もう少しヒネリがあっても良かったのではと思えた。また、作者のホラー好きが高じて、本筋に入る前の薀蓄じみた前口上が徒に長くなっているのが気になった。
作者が知り合いから怪異話を聞くという構成のものが多いなかで、三津田自身が怪異に見舞われる「湯治場の客」がまずまずと思える出来栄えで編中の個人的ベスト。総毛立つようなサプライズを味わえる某シーンがなかなか忘れがたい。次点は、丑の刻参りを逆の視点で描いて恐怖を駆り立てる「御塚様参り」あたり。

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