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ミステリの祭典

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絶唱

作家 湊かなえ
出版日2015年01月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点 E-BANKER
(2019/08/08 21:39登録)
~四人がたどり着いた南洋の島。ここからまた、物語は動き始める。喪失と再生を描く号泣ミステリー~
ということで、阪神淡路大震災を経験した四人の女性が、南の楽園・トンガを舞台に緩やかに繋がったストーリーを紡ぐ連作短篇集。
2015年の発表。

①「楽園」=阪神淡路大震災で双子の姉(妹?)を亡くした女性。学生時代、好きだった彼が描いた楽園の絵・・・それがトンガだった。単身トンガに渡った彼女は、「その場所」を探し始める。そして、サプライズが明かされるラストへ・・・
②「約束」=①でも回想の中で登場していた「理恵子」が本編の主人公。国際ボランティア隊の一員としてトンガに派遣された彼女。ある日、日本から彼女を追ってきた婚約者へ彼女は別れを告げるはずだった・・・。
③「太陽」=①で脇役にて登場していた五歳の娘を連れたシングルマザー・杏子が主役となる一編。彼女もまた震災でつらい経験をしていた。勢いでやって来たトンガだったが、実は震災で傷ついた彼女の心を癒してくれたのがひとりのトンガ人だったのだ・・・。
④「絶唱」=連作のまとめとなる最終編。ここでも物語の始まりはあの大震災。震災で親友のひとりを喪った主人公は、大きな心の傷を負うことに。そして、ここでもトンガとの触れ合いが彼女を再生へと導く・・・

以上4編。
「トンガ」・・・南太平洋に浮かぶ大小約170の島々からなる国家。人口は約10万人。首都はトンガタプ島にあるヌクアロファ。
ということで、南洋の島らしく、島民は誰もがフレンドリーで、人間らしい心が取り戻せる島、なのだとか。
冒頭の紹介文のとおり、四人の女性は大震災を経て大きく心が傷ついてしまう。
その傷を癒してくれたのがトンガであり、トンガ人であり、トンガに住むある日本人、ということ。

で、どこが(号泣)ミステリーなんだ?ということなんだけど、どこがだろう?
かろうじて①にはある仕掛けがあり、ラストにきてそれが判明⇒サプライズというプロットなのだが、あとの三つはいわゆる“いい話”である。読者のなかには主人公にシンパシイを感じて涙される方もいらっしゃるかもしれない。
私は・・・う~うん。特に感涙はしなかったな。
これはやはり中年のオヤジが読むものではなかったということだろう。
でも、文庫落ちに伴いこれが売れてるようです。いやいや恐るべし、湊かなえ。

No.1 7点 白い風
(2015/06/29 22:59登録)
震災を背景にシングルマザーなど重苦しいテーマを含んでいましたが、場所が南の島トンガだからなんでしょうか、そう重苦しさを感じませんでした。
前作同様、短編集の連作を上手く使われてましたね。
アクの無い湊作品も好きになってきました(笑)

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