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ミステリの祭典

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ヒトリシズカ

作家 誉田哲也
出版日2008年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2023/09/04 20:52登録)
6つのエピソードから成る長編です。最後の『独静加』(ひとりしずか)を除くと、一応独立したエピソードですが、連作短編集とまでは言えないでしょう。すべての話に、静加が関わってきます。
目次がおもしろいデザインになっていて、第2話を読み終えた時点で、デザインの意味には気づきました。しかし目次で最も広い範囲を占め、また妙な形の第3話『腐死蝶』(ふしちょう)については、他のエピソードとは動機が全く異なり(唯一はっきり不快な動機です)、また警察官ではなく私立探偵の視点から描かれている点で、全体の統一性を崩してしまっているように思えました。このエピソードは不要ではなかったかと思えます。
もう一つ不満だったのが最終話で、全体のまとめ方としてはあっけなさすぎますし、他の話と設定年が離れすぎていて、本作発表時より未来の出来事にならざるを得ないのも、どうかと思いました。

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