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ミステリの祭典

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フリージア
榊原健三

作家 東直己
出版日1995年07月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2015/06/09 23:29登録)
東直己の作品は初めて。本作の主人公である殺し屋の榊原健三が登場する作品は後に2作書かれ、第2作が日本推理作家協会賞を受賞した『残光』ですが、こういう作品はシリーズ化してもらいたくないような気もします。
この作家らしく札幌を舞台にしていますが、暴力団同士の抗争を背景にしたハード・アクション小説で、迫力があります。この主人公、ダーク・スーパー・ヒーローって感じで、次から次へと人を殺していきます。しかし冷酷な悪役ではなく、過去に関係のあった多恵子を守るため。ただし多恵子とどんな関係があって、どんな事件が過去に起こったのかは、ほとんど描かれていません。
ハード・ボイルドなキャラクターということでは、謙三よりも丹沢刑事の方がそれっぽい印象を受けました。何を考えているのかわからないと他の登場人物たちから不思議がられる人物ですが、クライマックス直前、それが明かされてみるとなるほどと納得させられました。

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