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ミステリの祭典

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捕獲屋カメレオンの事件簿

作家 滝田務雄
出版日2015年04月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 kanamori
(2015/06/09 18:34登録)
元刑事でフリーライターの浜名は、オカルト雑誌社の社長の紹介で、”オフィス・カメレオン”の女社長とともに”捕獲屋”という裏稼業についた。ふたりは森羅万象あらゆるものの捕獲を請負い、現場で起きた事件の真相も捕獲する-------。

凸凹男女コンビによるユーモア連作ミステリながら、決めるときは意外と端正なロジックも飛び出すという作風は、東川篤哉の一連の作品を思わせます。ちょっと外し気味のユーモア・センスも似ている気がする。
”捕獲屋”という設定が探偵役でもあり、また別の役回りでもあったりで、やや連作としてのコンセプトを掴みづらい面があるけれども、元同僚の女刑事が登場する第3話「ソラマメ銀座の幽霊」などは逆にそんな設定が効いている。なかには頭の中に3Dプリンターを持つ浜名の超空間認識能力が十分活かされていないように思える作品もあって、全体としてはこれぐらいの評価になってしまうかな。なお、強いて個人的ベストを挙げるなら最終話の「前日譚 夜行奇人」あたり。

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