真紅の輪 |
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作家 | エドガー・ウォーレス |
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出版日 | 2015年05月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 6点 | 空 | |
(2018/11/18 22:41登録) 『キングコング』の脚本でも知られるだけに、通俗スリラーの多作家ウォーレスはSFも書いていたそうで、だったら巻末解説に当時としては革新的だと書かれていた、イエール探偵がサイコメトリー能力者だという設定も、それほど意外でもないでしょう。問題なのはその設定がどのように使われるかということで、その能力で犯人を突き止めたというだけでは、話になりません。事件解決段階になって明らかにされるその意味は、説得力があります。説明の仕方にあいまいなところがあるのは残念ですが。 乱歩の通俗長編に似ているとの評もあるようで、確かに全体的なストーリー展開はそうなのですが、乱歩のような大げさな表現や演出は押さえられ、文学性はなくても理知的な感じです。 クリムゾン・サークル首謀者の見当は早い段階でついたのですが、その真相解明後に明かされるある秘密にはかなり驚かされました。 |