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ミステリの祭典

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ウラジオストクから来た女
函館水上警察

作家 高城高
出版日2010年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2023/08/08 23:01登録)
長めの短篇4編を収録した、時代設定が明治20年台の函館水上警察シリーズ第2作にして最終作です。最終作である理由は、最後1ページを読めばわかります。文体的意味でハードボイルドな作家らしい、外面だけを書いたラストで、その持つ意味は全く説明されていないのですが。
最初の表題作は、そんなことで警察が活動するかなと思えるような出来事から始まるのですが、意外にも過去の犯罪と結びついてくるという筋立てです。次の『聖アンドレイ十字 招かれざる旗』は、密猟についてのロシアとイギリスのいざこざが描かれ、五条警部など水上警察は2国の仲介に奮闘します。『函館氷室の暗闇』は銃殺事件から始まる最もミステリらしい作品。最後の『冬に散る華』』は博徒たちが逮捕された男に復讐するため水上警察を襲撃するという事件で、10年以上後に別の場所で起こった実際の事件をモデルにしているそうです。

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