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ミステリの祭典

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青い玉の秘密
トビン警部

作家 ドロシイ・B・ヒューズ
出版日2015年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2016/05/15 18:13登録)
ジュヴナイル(本格派系)じゃないかとさえ思えるような邦題なので今まで敬遠していたのですが、乱歩が文学的スパイ小説とも相通ずるものがないでもないと書いた作品というので、グレアム・グリーンやアンブラーほどシリアスだとは最初から思っていませんでしたが、ちょっと期待して読んでみました。
結局、もちろんジュヴナイルではないにしても、20歳代の女性の視点から書かれた荒唐無稽スリラーといった感じでした。悪役の兄弟につきまとわれ、脅迫される恐怖が中心で、謎解き要素は全くないと言っていいでしょう。巻末解説では、本作のSo Blue Marble(とても青いビー玉)を『マルタの鷹』の彫像と比較していましたが、確かに歴史的な品で、それの争奪戦ということでは共通点があります。
悪役兄弟は上品ぶっても犯行は杜撰ですし、ヒロインがトビン警部を信用しないのも不自然ですが、まあリアリティを云々する話ではないなので…

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