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ミステリの祭典

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犯罪者たちの夜
紺野弁護士シリーズ

作家 結城昌治
出版日1979年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2015/07/28 23:09登録)
紺野弁護士シリーズ第2作には、1969年から1929年までの間に書かれた9編が収められています。前作『死者たちの夜』は1973年に出版されていますから、前作はそれまで書いたものをすべてまとめたわけではなかったことになりますね。
タイプとしては、弁護士が主人公であっても、雰囲気は私立探偵真木ものの『暗い落日』等と共通していて、つまりはロス・マク風ハードボイルドです。妻の失踪、三角関係の悩み、猫の誘拐(紺野弁護士は法律的には窃盗になると言っています)等から始まって殺人にまで発展するもの、それに最初から殺人罪で逮捕された者の弁護など、様々です。が、読み通してみると短編にはしにくいスタイルなのではないかと思えました。真相はそれなりに意外ですが、解決シーンが唐突であっけない感じのするものが多く、もっと長くしてじっくり読ませてもらいたいという気にさせるのです。

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