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ミステリの祭典

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にぎやかな落葉たち 21世紀はじめての密室

作家 辻真先
出版日2015年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2015/03/17 18:38登録)
今世紀になって初めての大雪に見舞われた日、グループホーム「若葉荘」の密室状況の部屋で、銛に射抜かれた女性市議の死体が見つかる。「若葉荘」の女性オーナー野末寥や入居者たちが被害者と過去に何らかの因縁を持つことが分かってくるなか、ホームの最年少スタッフ・綾乃は全員の前で口を開く--------。

北関東の小さな町にあるグループホーム「若葉荘」を舞台にした”雪の山荘”モノ本格ミステリ。
殺人事件がなかなか起こらない。山間の狭い町で昔からの人間関係が綿々と続いているという設定が重要なファクターとなっているので、ほぼ前半の半分が過去の因縁や事件の背景説明に費やされています。それでも、個性的な入居老人たちのユーモラスな言動やコージー風に近い語りで、重いエピソードも軽く読ませます。そういうところは作者の持ち味が出ていると言えるのかもしれない。
犯行の動機がやや弱く、少々納得いかないところがあるものの、”すべての条件が偶然そろってしまう”という横溝正史の某名作を思わせる”犯行スイッチ”の趣向がなかなか面白く、2つの殺人の手段がともに過去のエピソードを伏線にしている点も上手いと思えた。

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