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ミステリの祭典

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岩窟姫

作家 近藤史恵
出版日2015年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2019/11/05 19:58登録)
タイトルはもちろんアレクサンドル・デュマから採っているわけで、巻頭にもごく簡単な粗筋が置かれていますし、第1章終りにも「モンテ・クリスト伯」のことが触れられます。ただし黒岩涙香の翻案により日本で広く親しまれるようになった邦題が『巌窟王』なのに対して、本作では1字目に「岩」の字を使っています。
モデルの蓮美(れみ)は、同じ事務所に所属する友人沙霧(さぎり)の自殺が彼女のいじめによるものだとする疑いをかけられるのですが、デュマと違って誰がなんのためにそのようなデマを流したのかが、最大の謎になります。したがって、復讐の前に、蓮美は既にモデルをやめているもう一人の友人チホの手を借りて、その謎を探っていかなければなりません。
最後には意外な事実が明らかにされますが、デマの理由を含め、ちょっと無理があります。タイトルが示す「復讐」については、そういうことかと納得しましたが。

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