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ミステリの祭典

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スープ屋しずくの謎解き朝ごはん
スープ屋しずくの謎解き朝ごはんシリーズ

作家 友井羊
出版日2014年11月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 メルカトル
(2015/03/07 21:48登録)
スープ屋しずくのマスター麻井が、朝訪れる女性客の、ささやかな日常の謎を解き明かす連作短編集。
なんとなくソフトタッチで、読み心地は悪くないのだが、ミステリとしていささか弱すぎる。友井氏の前二作を私は買っているが、これはいけません。特に最終話は過去と現在が交錯するのだが、正直何がどうなっているのか理解するのに苦労した。端的に言うと読みづらいのだ。
ただ食事、特にスープに関する描写はそそられる。素材にこだわって、いかにも身体に優しく、滋味深い感じのするスープやポトフなどは、一度でいいから食べてみたい衝動に駆られる。しかし、いくらこういった作風が現在のトレンドだと言っても、肝心のミステリの部分がないがしろにされているようでは、それこそ本末転倒なのではないだろうか。もういい加減、似たようなシチュエーションの日常の謎を扱った作品はいいんじゃないかな。そろそろ、本格に戻る時期が来ていると思うのだが。

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