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ミステリの祭典

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生け贄
観察者シリーズ

作家 鳥飼否宇
出版日2015年03月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2015/04/03 19:03登録)
撮影中の事故で足を怪我した植物写真家の猫田夏海は、高知の港湾にある神道系の宗教施設に滞在することになった。ある夜、その白崇教の海に浮かぶ密室状況の本殿で、教主が刺殺される事件が起き、つづいて教団幹部である教主の息子の切断死体が海で見つかる-------。

生物オタクの”観察者”鳶山を探偵役に据えたシリーズ、久々の長編。
”タイガ”と呼ばれるアルビノ(先天性白皮症)の鮫を崇める教祖一族・明神家の秘密を中核の謎にして、宗教施設内の連続変死事件を描いている。
冒頭に明神家の家系図を置き、過去の因縁や隠れた血縁が真相に絡むところは横溝風で、教主の孫で双子の妹の不可思議体験は三津田信三のホラーミステリを思わせます。また、漁船沈没のトンデモ真相や、メインの仕掛けも含めて、設定やトリック面で他作家の既存作品との類似性が目立つのが気になるところではあります。しかしながら鳶山が登場してからの、海洋生物に関する薀蓄披露から主神の正体に迫る夏海とのやり取りはシリーズの個性が出ており楽しめました。ただ、短めの長編の割には多くのネタを詰め込みすぎていて、後半は駆け足気味なのがもったいない気がしました。

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