home

ミステリの祭典

login
しだれ桜恋心中

作家 松浦千恵美
出版日2014年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 虫暮部
(2015/02/19 12:00登録)
 文楽の世界の群像劇としてはまあ面白い。人形が喋ったり呪ったりが“現実”の領域に引っ張り込まれているのも、違和感は無かった。
 ただ、ミステリとしてのカタルシスが足りない。結末で一連の出来事の裏側にあったアレコレが暴露されるけれど、成程そういうことだったのかと腑に落ちるものではない。不条理なりにもっと筋の通った理屈が欲しかった。そういうものを期待して読んじゃったのはアガサ・クリスティー賞受賞作だからで、つまりこれは余計な看板ではないか。

1レコード表示中です 書評