home

ミステリの祭典

login
悪夢の観覧車
悪夢シリーズ

作家 木下半太
出版日2008年05月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2015/02/14 21:55登録)
異様に読みやすく、半端なく薄っぺらな誘拐サスペンス。
主人公の大二郎は、大阪天保山の観覧車を身代金目的の誘拐のために停止させ、ある整形外科医に6億円の身代金を要求する。また、各観覧車内にはそれぞれの家族や仲間と一緒の、怪しげな客が搭乗していた。
ストーリーとしてはまあ面白いが、描写が浅いため、スピード感は感じられても物語の深みは残念ながらないと言わざるを得ない。だが、終盤の展開はなかなかのもので、一気読みできるのは間違いない。どうやって身代金を受け取るのか、衆人環視の中どう脱出するのか、登場人物の意外な関係とは。それぞれ興味が尽きないが、あくまで軽く、そして笑いがあるいは苦笑いか、がふんだんに盛り込まれているので、どうしても作品としては軽んじられるのもやむを得ないだろう。

1レコード表示中です 書評