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ミステリの祭典

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復讐は俺の手に
私立探偵マイク・ハマー

作家 ミッキー・スピレイン
出版日1953年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2015/02/06 21:19登録)
悩める探偵といえばまずクイーンを思い浮かべますが、本作ではマイク・ハマーは過去の事件を思い出してかなり悩んでいます。とは言っても、スピレインですからクイーンみたいなマジな重さはなく、白々しい感じもしますが。思い出しているのは『裁くのは俺だ』のラスト・シーンなので、あのデビュー作の結末を踏まえた上で、どうひねりを加えるつもりなのかと思っていたら、こう来ましたか。最後の3ページぐらいで思いがけないことを起こしてくれます。その時点で、発表当時の常識、しかも作者の発想を考えれば、当然そうだろうと想像できるのですが、これまたクイーンばりに最後の1行でタネを明かしてみせる技巧まで使うとは、驚きでした。
そんな意外性演出以外にも、冒頭の事件でハマーが私立探偵の免許を取り消され、私立探偵の資格を持っているヴェルダを表に立てて捜査を続ける構成など、なかなか楽しめました。

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