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ミステリの祭典

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泡姫シルビアの探偵あそび
泡姫シルビア シリーズ

作家 都筑道夫
出版日1986年12月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 kanamori
(2016/03/22 21:17登録)
吉原「仮面舞踏会」のソープランド嬢・シルビア姐さんが、身辺で起きたトラブルや事件の謎を解いていく連作ミステリの第2弾。

再読ですが、記憶していた内容とちょっと違っていました。
ほとんどが、シルビア姐さんの同僚ソープ嬢が関わるトラブルを巡る様々な人間模様を描くことに重点が置かれ、謎解きミステリの興趣は前作と比べてかなり弱いです。また、ソープランドの特殊システム、裏話的なエピソードで横道にそれるのも(人情話はホロリとさせるところがありますけど)、ミステリを期待して手にした人には冗長に感じると思います。
提示される謎自体も日常的なものが大半なんですが、ロジカルな推理というより、直感にたよる謎解きが目立ち、読者が推理に参加できるものが少ないのが不満で、ミステリとしての採点はこれぐらいになりますね。
ちなみに、本シリーズは改題が多くて、1作目が「トルコ嬢シルビアの華麗な推理」から「泡姫シルビアの~」に変更(この辺の事情は本書1話目にさりげなく説明がある)、2作目の本作も文庫化に際して「ベッドディテクティヴ」と改題されています。

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