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ミステリの祭典

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愛されてもひとり

作家 新津きよみ
出版日2006年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2015/01/07 10:30登録)
絹子は引退後の夫と二人で田舎暮らしをしていたが、夫が急逝する。夫にたよりきりだった絹子は心細くも、いままでどおりの田舎暮らしをつづける。長男とその嫁の由梨や、俳句仲間の美千代は一人暮らしに反対する。美千代の息子の嫁・里美が唯一の味方だが、その味方も自ら遠ざけようとする。

謎の隣人家族による奇妙な雰囲気もあれば、若い男性画家の突然の訪問による事件の匂いも感じられ、なんともいえない怖さはあるのだが・・・

ホラー・サスペンスとして臨んだので、何かが起こるだろうと期待しながら読む中途はそれなりにサスペンスフルに感じた。でも、ストーリーそのものに怖さやスリルはなかった。か弱き老年女性の日常の物語だった。
あっと驚く結末があればいいが、それもなし。いちおう伏線付きのオチはあるが、最後の数ページでのあの急展開はわざとらしくておもしろくない。

新津きよみ → 角川ホラー文庫 → 体をのけぞらせるほどの恐怖 と決めつけていたが、この程度の日常のサスペンスだったのか?
そのへんのことは初めての作家さんなのでよくわからない。
ちなみに本書は角川ホラー文庫ではなく、祥伝社文庫ではあったが。

このサイトで満足できる水準かというと、そうではないだろう。新津ファンなら、本作をホラーとして楽しむのだろうか。個人的には息抜き程度の作品だと思うのだが・・・。
とはいうものの、中途はそれなりに楽しめたし、読書による刺激が感じられないわけでもなかった。

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