| 拝み屋郷内 怪談始末 | 
  
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| 作家 | 郷内心瞳 | 
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| 出版日 | 2014年05月 | 
| 平均点 | 6.00点 | 
| 書評数 | 1人 | 
| No.1 | 6点 | メルカトル | |
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      (2014/12/04 22:20登録) 現役の拝み屋郷内氏が見聞きした怪談を、これでもかと詰め込んだ短編集。ショートショート的なものが多いが、結構な長尺もあり、それは自身の体験した物語がほとんどである。視えてしまう者の辛さ、拝み屋という職業の苦しみがよく伝わってくる。私は霊感というものが全くないので半信半疑だが、やはり霊とか魂など視える人には視えるらしい。 タイトルに「始末」とあるが、怪談を自らが始末する、つまり切って捨てるように終結させるわけではなく、あらゆる怪異を読者に開示することによって、供養になるという想いからこのデビュー作を書き始めたらしい。だから、我々読者がこの一つ一つの短編を読むことによって、初めて始末がなされると解釈するわけである。 肝心の中身はありとあらゆる怪異を集めた実話なので、巷に溢れる怪談集と何ら変わりはない。だが、その独特の語り口調は一読に値するものであろう。世間の評価が高いのも頷けるはなしではある。  | 
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