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ミステリの祭典

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拝み屋郷内 花嫁の家

作家 郷内心瞳
出版日2014年09月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 メルカトル
(2014/11/25 22:34登録)
拝み屋とは一体どんな職業なのだろう。家内安全、交通安全、合格祈願、安産祈願、地鎮祭、屋敷祓い、先祖供養、ペット供養などを行うらしい。だが、その中のごく稀にとんでもない、およそ彼らの手に負えない代物が混じっていることがあるそうだ。この作品に収められている中編二作は、現役の拝み屋である作者が経験した、とてつもないまるで怪談のような実話である。
だが、これらは本当に実話なのであろうか。だとしたら、あまりにも非現実的すぎる。かといって、まるっきりのフィクションならば、これまた荒唐無稽すぎてわざわざ小説にはしないと思われるのである。いずれにしても、この二つの物語は怪談というより、ジャパニーズ・ホラーと呼ぶ方が相応しい。
最初の『母様の家 あるいは罪作りの家』のほうが私の好みである。ただし、物語のスケールが大きすぎて、人間関係が複雑なので、すべてを把握するのは一読しただけでは難しいと思われる。
中身に関しては読んでいただくしかない。とてもここで紹介できるものではないし、あまり書きたくないのである。なぜなら本気で障りがあるのではないかと心配するゆえだ。はっきり言えるのは、実話であるかないかに拘わらず、大変しっかりした小説であり、感動の物語であり、恐ろしい話でもあるということである。

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